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令和7年 局長年頭所感

 

令和7年 年頭所感

九州経済産業局長 星野 光明

令和7年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

我が国経済は、33年ぶりの高水準となる賃上げや、過去最高水準の設備投資など、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現に向けた転換期を迎えています。

一方で、物価高や人手不足、脱炭素化等、九州が持続的に成長・発展していくために乗り越えていくべき課題は数多くあります。その克服には、地域の多様なステークホルダーが知恵を出し合い、絶えず新たな取組に挑戦し、地域の可能性を最大限に引き出していくことが必要です。

九州経済産業局は、当局の組織理念である「未来につなぐ、活力ある九州の実現」に向けて、地域で頑張るひとびとに共感し、様々な施策やアイディア、ネットワークを駆使し、地域の皆様の新たな挑戦を支援するため、以下のような取組を進めます。

新しい地方創生を進めるためには、産業政策と一体となった雇用創出の取組が必要となります。地域に良質な雇用を生み出し、高い水準の投資を行う中堅企業や、成長意欲が高く売上高100億円超を目指す中小企業への支援を強化します。また、経済成長のドライバーであり、新たな社会課題解決の担い手となるスタートアップ企業の成長を支援します。

「稼ぐ力」の向上を図るため、中小企業の省力化投資やデジタル技術活用によるDX等の生産性向上、海外展開等の支援に取り組みます。また、適切な価格転嫁や取引適正化を推進し、賃上げや投資の原資の確保を支援します。
厳しい状況におかれている企業に対しては、経営改善、金融、事業再生、再チャレンジを支援します。また、近年頻発する自然災害に対応するため、BCP策定支援等を通じて、中小企業の事業継続力の更なる強化にも取り組みます。

国際情勢が厳しさと複雑さを増す中、経済安全保障を推進するため、半導体産業や自動車産業等におけるサプライチェーンの強化を進めます。国内投資の促進に必要な地域の受け皿として、産業人材の育成にも取り組みます。資源制約に対しては、資源循環システムの自律化、強靱化を図ります。

エネルギー分野については、データセンターや半導体工場の新・増設など、活発な設備投資により産業部門の電力需要が増加傾向にあることに対応し、安定供給の確保に万全を期します。
「第7次エネルギー基本計画」や「GX2040ビジョン」の策定を踏まえつつ、「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて、九州におけるGXを推進します。
九州においてポテンシャルが高い洋上風力発電や、拠点形成に向けた検討が進む水素の利活用を推進しながら、産業競争力の強化とエネルギー安全保障、脱炭素を一体的に進め、強靱な経済構造の構築を目指します。

本年4月には、いよいよ大阪・関西万博(EXPO2025)が開幕します。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、160を超える国・地域、国際機関が参加します。ぜひ多くの方々に御訪問いただき、世界の多様な文化と触れ合い、未来社会を体感してください。

本年も、皆様のお声をお聞きしながら、これらの取組に九州経済産業局職員一丸となって挑戦してまいります。

本年が皆様方にとって実り多き飛躍の年になることを願いまして、新年の御挨拶といたします。